ナビウリナ総裁、金利引き上げの可能性は排除せずと表明
モスクワ、7月24日。ロシア中央銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁は金融政策会合後の記者会見で、主要金利について引き上げの可能性を完全に排除することはできないと述べました。
ナビウリナ総裁はまず燃料市場の急変を「供給ショック」と位置付けてその分析結果を示し、こうしたショックが顕著な二次的影響を伴い持続的なインフレにつながる場合には金融政策が反応し得ると説明したうえで、同時にその反応はショックの持続期間にも依存すると述べ、現時点では状況を総合的に評価する姿勢を強調しました。
中央銀行はまた、主要金利の決定に際して生産能力の縮小傾向を重要な要因の一つと見なしていると明言し、他の条件が同じであれば金利引き下げの余地は狭まるとの見方を示した一方で、我が国のベースラインシナリオでは企業が年末までに生産能力を回復すると想定していると付け加えました。
ナビウリナ総裁はこうした前提に基づき、潜在成長が持続的に低下するという最悪のシナリオが現実となった場合には需要抑制のために金利を引き上げる必要が出てくると指摘したものの、現状ではそのような予防的な利上げの根拠はベースラインにはないとし、状況が変化すれば必要な水準まで引き上げる用意があるとも述べました。
中央銀行は現在の物価上昇の加速を一時的なものとみなしつつも、高頻度データは燃料価格上昇が幅広い財・サービスの価格に波及し始めていることを示しているため、燃料市場の安定化が進めばインフレ期待は低下する可能性があると説明し、付加価値税引き上げの際の一時的な急騰後の調整と同様の反応を想定していることを明らかにしました。
規制当局は市場の倉庫に対する攻撃に関連して保険部門への特別な支援措置を検討していないとし、その理由として保険業界全体に十分な安全余裕がある点を挙げ、保険会社が補償を行う場合には国営再保険会社がテロやドローン攻撃のリスクに対する再保険を提供しており、この再保険プロセスを通じてリスクが移転されるメカニズムが機能していると説明しました。
金融政策の運営に関しては、中央銀行は現在の引き締めがインフレを鈍化させるのに十分であるという更新された予測を示す一方で、緩和余地は存在すると認めつつもそのペースは以前予想されたよりも緩やかであるとの見解を示し、政策の最終目標が物価安定であることを改めて強調しました。
銀行セクターについては、数年間にわたる制裁下での適応が進んでおり多くの銀行が対応を済ませていること、加えて相当な資本バッファーと安全余裕を有していることから現時点で大きな問題は見ていないとし、株式市場の困難な局面についても金融安定性に対する直接的な懸念とは位置付けていないと述べました。
住宅ローン市場に関しては、政府の補助プログラムの絞り込みが市場金利の低下を後押ししており、中央銀行の政策は住宅ローン金利の低下を加速してこうした融資をより利用しやすくすることを目的としていると説明しました。
最後に中央銀行は、国外で凍結された資産を持つ投資家を支援するため財務省とともに様々な選択肢を検討しているものの、居住者を含む取引が外国の規制当局によって妨げられる事例があるためイニシアティブを事前に公表しない方針であると述べ、暗号資産の国外引き出しに関する法的保護の欠如とそれに伴う外国法域での解決を余儀なくされる点についても注意を促しました。