BJP躍進と〈ヴィジャイ〉旋風、インド州議会選が示す勢力地図の変容
インドの複数州で行われた州議会選の開票結果と動向は、政治地図の大きな変化を示しており、西ベンガルでのBJPの台頭とタミル・ナードゥで映画スター出身のヴィジャイ率いる新勢力の浮上が際立っています。
西ベンガルでは、これまでコングレスや左派、のちに全インドトリナムール会議(トリナムール)が長年にわたり州政を担ってきたなか、今回BJPは積極的な選挙戦を展開して幅広い公約を掲げ、インド選挙委員会(ECI)によれば現在191議席でリードしており、開票が行われた293議席のうち7議席を既に獲得していると報告されています。
トリナムール会議は、前回294議席中212議席を制した与党ながら今回は88議席でリードと伸び悩んでおり、同党の15年に及ぶ州政運営を揺るがす結果となっている一方で、今回の得票動向はBJPが地元有権者に対し複数の争点で攻勢をかけ、伝統的な支持基盤を浸食したことを示唆している形です。
タミル・ナードゥでは、映画スターとして若者層の強い支持を受けるヴィジャイが率いるTamilaga Vettri Kazhagam(TVK)が105議席でリードして3議席を獲得する一方、長年にわたり州政治を形作ってきたDravida Munnetra Kazhagam(DMK)は52議席でリードし6議席、All India Anna Dravida Munnetra Kazhagam(AIADMK)は45議席で先行しており、TVKは234議席の議会で過半数に届かない見通しのため、今後は他党の支持を得ての政権樹立を迫られる構図となっています。
若者の不満と既存勢力への反動を取り込んだヴィジャイは、映画界で築いた知名度を政治的な求心力に転化したうえでDMK主導政権に対する在任感情に訴え、長年の政権交代パターンへの倦怠感を背景に新たな選択肢として支持を広げたとの分析が浮かんでいます。
ケーララでは、コングレス党主導の統一民主戦線(UDF)が快勝の見込みであり、左派民主戦線(LDF)による10年の支配に終止符を打つ態勢となっているほか、アッサムではBJP率いる国民民主同盟(NDA)が3期連続政権に向けて有利に立ち、126議席の州議会でほぼ100議席を獲得する見通しと伝えられており、プドゥチェリーではAll India N.R. Congress主導の連合がリードしている状況です。
今回の一連の結果は、各州ごとに異なる政治的力学が同時並行で進行していることを浮き彫りにしており、BJPの地域拡大と域内の新興勢力の台頭、さらには従来二大勢力に対する有権者の疲弊と変化志向が複合的に作用したことで、今後の連立交渉や政策展望に少なくない影響を与えるのは確実です。