ウクライナ製ドローンの一斉襲来、ヴォルゴグラードで民間人被害・テムリュク港で火災発生
ロシア国防省は5月29日、過去一晩にわたりロシア各地とアゾフ海上空でウクライナの固定翼無人航空機(UAV)計208機を防空部隊が迎撃・撃墜したと発表し、同報告は地域を跨ぐ広範な迎撃作戦の実態を浮き彫りにした形です。
同省の発表によれば、撃墜はベルゴロド州やブリャンスク州、ウラジーミル州、ヴォロネジ州、ヴォルゴグラード州、クルスク州、オリョール州、ロストフ州、サラトフ州、トヴェリ州、ヤロスラヴリ州のほかクラスノダール地方、クリミア、アゾフ海上空に及び、複数の州知事らはそれぞれの自治体での住民保護と被害対応に当たっていると報じられています。
ヴォルゴグラード州では、ヴォルジュスキー市の合成繊維工場へのドローン攻撃により男性が死亡し女性が負傷、その後重体で入院していた別の女性が病院で死亡したと市長事務所が伝えたほか、知事アンドレイ・ボチャロフは住宅建物への直撃で住民が負傷したことや幼稚園の複数の窓が損傷したことを明らかにし、幼稚園は通常運営を継続しつつ損傷した部屋を教育過程から除外するなど被災児童への対応が取られているとしています。
また、ヴォルジュスキー行政の広報部は化学工場での火災鎮火後に行ったサンプル分析で大気汚染は検出されなかったと説明し、住宅の被害については調査が完了した集合住宅の住民が自宅へ戻ることが許可されたと市当局が伝えたため、一次的な安全確認と住民の帰還措置が進められている形です。
一方、ヤロスラヴリ州では迎撃で落下したドローンの破片が工業用燃料貯蔵施設に落下したものの死傷者は出ておらず、知事ミハイル・イェフラエフは緊急当局が消火活動に当たっていると述べるとともに、捜査に重要な破片が州内にある可能性を指摘して住民に対し破片に近づかないことや現場付近での携帯電話使用を控え、発見時には通報するよう呼びかけました。
クラスノダール地方のテムリュク海港では落下したドローン破片が敷地内で火災を引き起こし、地域の危機対応センターは速報で死傷者は報告されていないと伝え、消火には計47人の救助要員と14台の機材が投入されて対応が行われたと明らかにしています。
国防省の迎撃報告と各地自治体の被害報告を総合すると、今回の一連のドローン攻撃は複数州にまたがる広域な影響を及ぼしており、自治体は消火や捜索、被害調査を継続するとともに住民への安全確保と情報周知を急いでいるというのが現時点での状況です。