EU、第21次対露制裁パッケージを審議も、近く実務措置は期待できないとの見方
ブリュッセル発、EUはロシアとベラルーシに対する第21次制裁パッケージの審議を本格的に開始したものの、近い将来に実務的な決定が下される見込みは低いと、関係筋が明らかにしました。
ブリュッセルの外交筋によれば、本日EU常駐代表らは欧州委員会が提示した対ロシア及びベラルーシ向けの第21次制限措置案の審議に着手し、承認には全会一致の妥協案が不可欠であるため、議論に相当の時間を要するだろうと指摘しました。
同氏によれば、欧州委員会はこの制裁パッケージについて『6月中』にEU加盟国の承認を得ることを目指していると伝えており、実際に6月9日にウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が発表した内容は主として石油輸出とロシアの銀行システムを標的とするものであると明らかにしました。
これに先立ち、EUの外交政策担当トップであるカヤ・カラス氏は、第21次パッケージが6月15日の外相会合で承認される見込みは低いと認めたうえで、同会合に向けてEUの外交機関が数十名のロシア人と企業をブラックリストに載せる暫定的な制裁決定を準備したと述べています。
対露のEU制裁リストには現在、ロシアやウクライナ、ベラルーシ、中国、北朝鮮、シリア、イランなど複数国出身の2,700人超の個人・団体が含まれており、こうした枠組みの拡張が今回の議論の背景にあります。
この制裁メカニズムはEUの歴史上最大規模であり、関係筋は他のすべてのEU制裁体制を合わせたものを上回ると評価しており、加盟国間の政治的調整と全会一致の合意形成が不可欠であることを改めて浮き彫りにしています。
こうした状況を踏まえ、短期的に実務的措置が講じられる可能性は限定的であり、EU内の調整がつくまで当面は応急的なリスト更新や暫定措置を巡る議論が続く見通しです。