米国とイラン、戦争終結とホルムズ海峡再開で枠組み合意
イランと米国の当局者は26日、戦争を終結させることや米国による対イラン封鎖を停止しホルムズ海峡の航行を再開するための枠組みで合意したと発表し、仲介に当たったパキスタンのシェバズ・シャリフ首相の早朝の発表を経て、トランプ大統領が自身の投稿で合意成立を表明した形です。
パキスタンの仲介を受けた協議は、まず現場の戦闘停止と海上航路の正常化を優先課題として位置づけたうえで、金曜日にスイスで了解覚書を公式署名する予定であり、このプロセスを通じて当面の停戦や封鎖解除が実効化される見通しだと関係筋は述べています。合意文の正確な条件は直ちに公表されなかったものの、イラン最高国家安全保障会議の事務局は月曜夜からレバノンを含むすべての戦線での戦争と軍事作戦が恒久的に終了すると宣言したと明らかにし、こうした動きがホルムズ海峡の実質的な封鎖解除につながる点が今回の合意の中心であることが鮮明になりました。
交渉の中身については、イラン側が60日間の停戦期間中により包括的な合意を交渉することを表明しており、これに関連してロイターが伝えた草案では米国が凍結している約250億ドルのイラン資産の放出に同意する案が含まれている一方で、米側はこうした資金放出が特定の条件履行に連動するとの立場を堅持しているとされています。また、関係筋はイランの核計画の最終的な運命は今回の枠組みの後の交渉で扱われる見通しであり、高濃縮ウランの備蓄を破壊して国外へ移送することが最終的な解決に向けた選択肢として議題に上がっていると述べています。
市場や国際社会の反応は即時に現れ、トランプ氏の発表を受けてブレント原油先物は約4%下落し、米ウエスト・テキサス・インターミディエートは4.6%超下落、アジア株式は急騰するなどエネルギーと金融市場に波及効果が生じたほか、英国、ドイツ、フランス、イタリアは共同声明でイランが核計画を制限する「明確で検証可能な措置」を講じることに応じれば制裁解除の用意があると表明しました。
こうした合意に対しては批判や慎重論も根強く、前バイデン政権の国務省報道官マシュー・ミラーは、米国が戦争を始める前の現状回復のためにイランに重大な譲歩をしていると指摘し、核問題が確約されていないとの懸念を示しました。これに対し、対イラン強硬派の上院議員リンゼー・グラムは合意を称賛しつつも、イランとのいかなる核合意も米国法の下で議会の審査と票決に付されると述べ、今後の核交渉を注視する姿勢を示しました。
今回の合意は、2月28日に米国とイスラエルが最初にイランを攻撃して以降、主にイランとレバノンで数千人が死亡するという深刻な人命被害と地域の緊張が続いた状況を背景に成立したものであり、トランプ政権は国内的にはガソリン価格の上昇や中間選挙を前に世論の圧力に直面している一方で、党内の一部からはイランの核能力を完全に封じるべきだとの強硬な要求にも押されています。
一方でイスラエルは今回の交渉の当事者ではないと位置づけつつ、ネタニヤフ首相はレバノンでの作戦の自由を保持する意向を示しており、両国間には停止要求をめぐる意見の相違が残っていると報じられています。トランプ氏はネタニヤフ氏を「非常に手強い男」と評したと伝えられ、外交上の難所であるレバノン問題が合意の成否を左右する重要課題であることを改めて浮き彫りにしました。
今後については、金曜日の了解覚書署名を経て60日間の停戦を舞台に包括的な最終合意を目指す交渉が続けられる見通しであり、核計画の扱いはその後の協議に委ねられることから、各国は検証可能な措置の履行を巡る駆け引きと署名後の実効化に注目を強めています。トランプ大統領はフランスでのG7会合に出席する予定であり、和平合意はそこでの議題を支配する可能性が高いとの見方が出ています。