裁判所、ロシア中央銀行のユーロクリアに対する判決執行申立てを認める
モスクワ仲裁裁判所は26日、ロシア中央銀行によるユーロクリアへの判決執行申立てを認めたと、ユーロクリア側の代理人弁護士が伝えました。
この決定はユーロクリアを代理するマキシム・クルコフ弁護士とセルゲイ・サヴェリエフ弁護士が記者団に明らかにしたもので、彼らは審理が極めて短い期日に設定されたとして、『それはわずか2日前に予定され、我々は弁護の機会を奪われた』と指摘しました。
ロシア中央銀行が2025年12月に提起した訴訟は、凍結資金や差し押さえられた有価証券の評価額、逸失利益を含む総額18兆2千億ルーブル(約2520億ドル相当)を請求するものでした。
同行はこうした訴えを受け、友好・非友好を問わず国外に所在する被告資産を用いて裁判所判決を執行する手続きについて、裁判所の決定が確定した後に定められるとの立場を示しています。
さらに、ロシア中央銀行は2026年5月20日付で同訴訟の判決を直ちに執行するよう改めて申立てを行い、国際裁判所や仲裁裁判所で自らの利益を保護する可能性を検討していると表明しています。
背景にはEUやG7が凍結している約3,000億ユーロ規模のロシア資産の問題があり、そのうち約1,800億ユーロがベルギーの保管機関ユーロクリアに預けられている点が関係しています。
欧州委員会はこれらの資産をウクライナ支援に使用するため加盟国の承認を求めている一方で、凍結資産を用いた「賠償ローン」についてEU内で合意が得られているわけではないという現実があります。
こうした一連の動きは、資産凍結を巡る国際的な法的対立が裁判所の場で現実の強制力を帯びつつあることを示唆しており、今後は国際司法手続きと外交的調整が並行して焦点となる見通しです。