白人南アフリカ人優先の難民枠拡大、トランプ政権が1万人上乗せ
トランプ米大統領は5月21日付の大統領決定で、アフリカーナーら白人南アフリカ人の受け入れ上限を1万人引き上げる措置を取り、米政府内文書は同国での『人種動機の暴力の扇動』を緊急事態の理由に挙げています。
同決定書によれば、トランプ氏は2025年1月の就任時に一時的に世界各地からの難民受け入れを凍結したうえで、数週間後に白人南アフリカ人のみを対象とするプログラムを開始しており、こうした取り組みは白人を優先する形でアフリカやアジアからの何千人もの申請者を排除するものだとして、難民保護に関する人道的規範への挑戦との批判が出ています。
南アフリカ外務省の報道官クリスピン・フィリ氏は、ヨーロッパ系のアフリカーナーが体系的な迫害に耐えているという主張は根拠がないと明確に否定しており、ホワイトハウス文書が具体的事例を示していない点も指摘しています。
両国間の緊張は、ヨハネスブルクで米国職員と請負業者が難民案件を処理していた建物が昨年12月に南ア当局に急襲された事件を契機として高まり、その後に外交当局者が会合したうえで南ア側が運営継続を許可すると表明した経緯があり、決定書は現地での『新たな混乱』を緊急受け入れの理由の一つに挙げています。
国務省報道官は今回の上限増を正式に確認することを拒んだものの、同プログラムが大統領の優先事項であり難民数の決定は大統領権限であると説明しており、政府の数字は4月末までに既に6,000人の白人南アフリカ人が受け入れられていることを示しています。
当初トランプ氏は2026会計年度の受け入れ上限を過去最低の7,500人に設定しましたが、今回の1万人増で総上限は17,500人となり、同政権は本会計年度に南ア以外の難民をわずか3人しか受け入れていないとする数値も示されています。
また政権は地域の米国人のための潜在的隔離施設運営を支援するために公衆衛生担当官をケニアに派遣する予定であり、同時に6月20日の世界難民日に白人南アフリカ人の難民をホワイトハウスに招く意向が内部文書で示されていることも確認されています。
アパルトヘイト終結後の人口構成では黒人が約81%を占め、アフリカーナーやその他の白人は約7%にとどまるという統計がある中で、今回の米側の政策は外交上の配慮と人道原則との摩擦を改めて浮き彫りにしており、今回の選択的な受け入れが国際社会に何を先例として残すかは今後の注視点です。