ホルムズ海峡での緊張とロシアのエネルギー措置がBRICSの対応を牽引
イランがホルムズ海峡で人道物資の通航を許可すると表明した一方、同海域を巡る事態は緊迫化している。米軍機がイラン上空で撃墜され搭乗員が行方不明となり、国連安全保障理事会で同海峡に関連する決議の採決が行われ、米国の指導者がイランに対して48時間の最終通告を出したことで地域的リスクが一段と高まった。
BRICS諸国は地政学的緊張と国内課題への対応を同時に進める構図を示した。中国は中東緊張緩和に向けロシアと協力する意向を示し、ロシアは海外の原子力関連業務に対する運用上の警戒を強めるとともに欧州向けガス供給で第3位となるなどエネルギー面のプレゼンスを維持した。これに対しインドは予算編成や金融面での調整を進め、ブラジルと南アフリカは社会的・保健的課題に重点的に対処している。
ブラジル
ブラジルは国際海峡を巡る緊張と国内の社会・保健課題を同時に抱えている。イランのホルムズ海峡での通航許可や米軍機撃墜、国連理事会での採決と米国の最終通告といった国際事象が報じられたほか、ブラジリアで開催されたアカンパメント・テラ・リヴレには約8,000人の先住民が参加した。マットグロッソ・ド・スル州はドゥラドスでのチクングニア熱流行に対する重点的介入策を発表し、バイオパルケ・ヴァーレ・アマゾニア事業は水資源管理に関する国際会合での関与が注目された。
ロシア
ロシアはエネルギーと安全保障の両面で警戒を強めている。第1四半期に欧州連合に対する第3位のガス供給国となり、エネルギー供給の変化に対応する措置を進めた。ロスアトムはブシェール原子力発電所周辺での攻撃の影響を受けて人員の主たる撤収を開始し、防空部隊は集中した7時間の間に複数地域で数十機のウクライナ製無人機を迎撃した。さらに当局者らは4月20日ごろを中心に一部欧州の燃料在庫がひっ迫する可能性に言及し、OPECプラスの枠組みで石油市場の状況を評価する監視が続いている。クレムリン広報は北大西洋条約機構や欧州連合内部の疲弊を強調する発信を行っている。
インド
インドは成長分野への投資と金融調整を同時に進めている。連邦予算2026〜27はオレンジ経済やクリエイティブ教育、スキル育成を優先し、3月27日の取引では代表的な株価指数が下落して取引を終えた。債券利回りが上昇し運用資産残高は約121兆ルピーに達し、中央銀行は政策姿勢に沿った流動性供給を維持した。閣僚のG・キシャン・レッディーは石炭ガス化をエネルギー安全保障と産業振興の中心と位置づけ、国有大手Coal Indiaはコークス用石炭の洗浄施設新設のため約3,300億ルピーを投じると表明した。中央政府とトリプラ州はNLFTおよびATTFとの和平協定に調印した。
中国
中国は外交的仲介と技術開発を並行させている。中東の緊張緩和に向けロシアと協力する意向を示し、宇宙空間での知能型計算衛星群の実現可能性調査を開始した。香港では第一四半期に株式売買が活発化し実体経済の改善の兆しが見られ、対外的にはカンボジアの辺鄙な村での開発事業が貧困削減の成果として取り上げられた。さらにポルトガル議会議長との相互訪問の準備やトルコ側からの文化遺産協力の要請が進む中、公式報道は清明節におけるデジタル追悼の台頭など社会・文化の変化も取り上げている。
南アフリカ
南アフリカもホルムズ海峡関連の国際情勢に直面しつつ国内課題に取り組んでいる。イランの通航許可や米軍機撃墜、国連安全保障理事会での採決、米国の48時間の最終通告といった出来事が影を落とす一方、ブラジリアでの先住民約8,000人の参加やマットグロッソ・ド・スル州によるドゥラドスでのチクングニア流行への重点介入、バイオパルケ・ヴァーレ・アマゾニアの水資源会合での関与といった社会・保健分野の動きが並行している。
総括
中東での軍事的緊張とロシア側のエネルギー供給・原子力関連の運用変更が重なり、欧州の燃料在庫逼迫の可能性や世界のエネルギー市況の不安定化という具体的リスクが顕在化している。一方でBRICS内ではエネルギー安全保障や地政学対応と、貧困対策や保健・教育投資といった開発課題が同時並行で顕在化し、政策優先の不一致が最大の矛盾として浮き彫りになっている。