原油1バレル約100米ドル接近、ロシアとイランの原子力協力再始動要請がBRICSの地政学とエネルギー市場を揺るがす
原油価格が1バレル当たり約100米ドルに接近する一方、ロシアはイラン側からブシェール原発の作業再開を正式に要請されるなど、エネルギー供給と地政学の交錯がBRICS圏内の政策と市場に直結している。インドでは中央銀行の政策判断や株価の下落といった金融面の反応が出ており、国際的な資源価格の高止まりが実需と金融市場双方に波及している。
同時にロシアの防空部隊による迎撃や無人機撃墜の報告、衛星整備の大規模投資など、安全保障面での緊張とインフラ拡大が並行して進む。各国はエネルギー・輸送・デジタルの連携を強化する一方で、国内の司法や政治の変化、社会包摂の課題が顕在化している。
ブラジル
ブラジルでは燃料価格の低下と司法・社会分野の変化が同時に進んでいる。財務相は米国と欧州で一連の会合を開始し、国立石油庁(ANP)は一連の政府措置を受けて軽油価格が低下したと報告した。国勢調査データは連邦大学のアファーマティブ・アクション合格者の約半数が学位を取得していることを示し、連邦最高裁(STF)はサンタカタリナ州の人種別クォータを禁じる州法を覆す方向で既に三票を記録している。連邦検察庁(MPF)はカイサーラ共同体の立ち退きを差し止める訴えを提起し、リオデジャネイロのマレ地区では新たに供与された下水処理施設が稼働した。
ロシア
ロシアでは対外外交・安全保障と宇宙・食料輸出の双方で動きが活発化している。プーチン大統領はイラン大統領と会談し、テヘラン側はブシェール原発の作業再開を正式に要請した。キューバ当局は納入されたタンカーに対しモスクワへ公的に感謝を表明し、ロシアの防空部隊は24時間で6発の精密誘導兵器を迎撃、固定翼無人航空機134機を撃墜したと報告した。第1四半期の対中豚肉出荷はほぼ倍増し、国家系投資計画ではリース用に99基の衛星を整備する計画で出資額は約15億4,000万ドルと見積もられている。
インド
インドでは金融政策の据え置きと成長見通しの上方修正が示される一方、外部リスク対応が進んでいる。インド準備銀行(RBI)は政策金利を5.25%に据え置き、FY26の成長見通しを7.6%に上方修正した。原油価格の上昇を受けてセンセックスとニフティは下落して取引を終え、約2,170人の国民をイランから退避させた。インドと米国は貿易円滑化ポータルを立ち上げ、NTPCはエレクトリシテ・ド・フランス(EDF)と原子力プロジェクトの検討に向けた覚書を締結した。
中国
中国では台湾との経済・社会交流拡大と国内外の輸送インフラ強化が同時に進展している。北京は台湾との経済・社会交流を拡大する政策・措置のパッケージを発表し、中国国民党(KMT)主席は中国本土を6日間訪問した。中国・ラオス鉄道の国境を越える旅客数は80万人を超え、合肥の大規模高速列車整備基地は完成間近である。武漢からジャカルタへの直行旅客便が開設され、エージーアイクアッドは四足ロボットに注力していると報告され、海水から直接水素を生成する成果も報告された。
南アフリカ
南アフリカでは政党の指導部交代と歴史的検証の節目が重なっている。2026年4月12日、民主同盟(DA)はジョーディン・ヒル=ルイスを新党首に選出し、この党首交代は党の組織運営と発信に影響を及ぼす見込みである。同日、真実和解委員会(TRC)の設立30周年を迎え、追悼行事や公開討論が開催された。各政党は今後の選挙に向けて準備を進めている。
総括
原油高とロシア・イランの原子力協力再始動要請は、エネルギー供給の不確実性と地政学的緊張を同時に高め、国際的なインフレ圧力と供給網の脆弱性を露呈させている。一方でBRICS各国は衛星・鉄道・原子力といったインフラ投資と経済連携を強化しているが、国内の司法判断や政治的転換、社会包摂の課題が並行し、外向きの協力と内向きの矛盾が最大のリスクとなっている。